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曇り

師走。
もう、きてしまった。
いつも悩みに悩んで、振り回される月。

たった1日のこと。
気を抜いていたら忘れそうなくらい呆気ない1日のこと。
そんなたった1日に、私はいつまで心を揺さぶられて平常心を失って、なんと呼べばいいのかわからなくなってしまった感情に包まれるのだろう。

1年が巡れば、過去は年々遠くなる。
付箋のついた特別なあの日はもうずいぶん遠い。
きっと美化された部分がたくさんあって、都合のよくなってしまった部分もたくさんある。
それでも、まだ、記憶の付箋を剥がせずにいる。
年々、付箋は色あせていて、メモは読めないほどに擦り切れた。
私だって、立ち止まっているだけじゃないんだ。

私はもしかしたら、あの頃のような「不思議さ」をもう忘れているのかもしれない。
なんとなくでしかなかった未来の感触を、おぼろげながらも知り始めた今、私はもうあの頃のように「今」だけを見て走れないのだ。
私の「今」はこれからに続いていて、「これから」の責任は私にあるということに気づいてしまったからには、もう戻れない。
きっと私だけじゃない。こんな馬鹿な私が気づいたのだからきっととっくに気づいていたのでしょう。

けれど、こんな馬鹿な私だからこそ、たった1日から抜け出せない。
まだ、抜け出せないでいる。


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